
人間の本性:キリスト教的人間解釈
著者 | ラインホールド・ニーバー 著、 髙橋義文・柳田洋夫 訳 |
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版型 | A5判 |
ページ数 | 384ページ |
製本 | 上製 |
発行日 | 2019年4月 |
ISBN | 978-4-909022-99-8 |
在庫 | あり |
定価 | 4,070円(10%税込) |
内容
本書は、20世紀アメリカを代表する神学者で政治思想家ラインホールド・ニーバーの主著『人間の本性と運命』の第一巻『人間の本性』(Reinhold Niebuhr, The Nature and Destiny of Man, Vol. I: Human Nature, New York: Charles Scribner’s Sons, 1941)の半世紀ぶりになされた最新訳である。聖書の人間像を、自然と精神、時間と永遠、破壊性と創造性、罪人と神の像、原罪と原初的義などをめぐる弁証法的性格において分析し、それを古今の多様な思想との対話を通して新しく解釈し、その現代的意義を訴える。第二巻『人間の運命』(Vol. II: Human Destiny, New York: Charles Scribner’s Sons, 1943. 髙橋義文・柳田洋夫訳、聖学院大学出版会、2017年)と対をなして、アメリカの楽観主義的思想動向に衝撃を与えたニーバー人間学の極致を示す書である。
著者プロフィール
ラインホールド・ニーバー (1892-1971)
人間と歴史の問題に取り組んだ、20世紀アメリカを代表する神学者、社会倫理学者。冷戦期アメリカの政策に関与した現実主義的政治思想家でもある。ミズーリ州セントルイス郊外に生まれ、イーデン神学校とイェール大学大学院に学ぶ。デトロイトのベセル福音教会牧師を経て、ニューヨークのユニオン神学大学院教授。著書に、『人間の本性と運命』(本書はこの第一巻)、『道徳的人間と非道徳的社会』、『光の子と闇の子』、『アメリカ史のアイロニー』などがある。
髙橋義文(たかはし よしぶみ)
1943年生まれ。ローマリンダ大学文理学部卒業。アンドリューズ大学大学院修士課程修了。東京神学大学大学院修士課程および博士課程修了。神学博士(東京神 学大学)。三育学院短期大学教授・学長、エモリー大学神学大学院客員研究員、 聖学院大学大学院教授・同大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科長・同大学 総合研究所長、同大学客員教授を経て、現在、聖学院大学総合研究所名誉教授。
〔著書〕 『キリスト教を理解する』、『ラインホールド・ニーバーの歴史神学』、『ニーバーとリベラリズム』、『パウル・ティリッヒ研究』(共著)。 〔訳書〕 C・ C・ブラウン『ニーバーとその時代』、J・ウィッテ『自由と家族の法的基礎』(共監・共訳)、A・E・マクグラス『アリスター・E・マクグラス宗教教育を語 る』、W・パネンベルク『キリスト教社会倫理』、『現代に生きる教会の使命』(分担訳)、ラインホールド・ニーバー『ソーシャルワークを支える宗教の視点』(共訳)、ラインホールド・ニーバー『人間の運命』(共訳)ほか。
柳田洋夫(やなぎだ ひろお)
1967年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学)修士課程修了。同博士課程中退。東京神学大学大学院修士課程修了(神学修士)。聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、聖学院大学人文学部教授、大学チャプレン、人文学部チャプレン。青山学院大学・聖心女子大学非常勤講師。
〔訳書〕 C・E・ガントン『説教によるキリスト教教理』、A・E・マクグラス『歴史のイエスと信仰のキリスト』、ラインホールド・ニーバー『人間の運命』(共訳)、スタンリー・ハワーワス/ジャン・バニエ『暴力の世界で柔和に生きる』(共訳)。 〔論文〕 「リチャード・ニーバーの責任倫理と日本人」、「なぜ日本に文 化の神学が必要なのか――内村鑑三の文明論を中心に」、「関東大震災と説教者――植村正久と内村鑑三に即して」、「小山鼎浦の宗教思想」ほか。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第1章:《人間自身にとっての問題》としての人間
第2章:人間の本性における生命力と形式の問題
第3章:近代文化における個人性
第4章:近代人の安易な良心
第5章:キリスト教的人間観の妥当性
第6章:神の像としての人間と被造物としての人間
第7章:罪人としての人間
第8章:罪人としての人間(承前)
第9章:原罪と人間の責任
第10章:原初的義(justitia originalis)
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