死別の悲しみから立ち直るために

シリーズ臨床死生学研究叢書2
編著者平山正実 編著
判型A5判
ページ数308 ページ
製本上製
発行日2010年03月
ISBN978-4-915832-83-3 C3311
定価4,400円(10%税込)
在庫あり

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内容紹介

愛する家族や友人を病気や事故で失った人々がその悲しみをどのように受け止め,悲しみから立ち直ることができるのか.医師として看護師として,また精神科医として死別の悲しみに寄り添う方々が,臨床の場で,考察を深め,死別の悲しみから立ち直るための,多様で個性ある「グリーフワーク(悲嘆の作業)」の道筋を語る.

編著者プロフィール

平山 正実(ひらやま・まさみ)
1938年生まれ。横浜市立大学医学部卒業。自治医科大学助教授(精神医学)、東洋英和女学院大学大学院教授(死生学、精神医学)を経て、現在、聖学院大学総合研究所・大学院(人間福祉学科)教授、北千住旭クリニックにて診療に従事。精神科医、医学博士、精神保健指定医。

大西 秀樹(おおにし・ひでき)
1960年生まれ。埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授・精神科医。専門領域は、精神腫瘍学、死生学。患者遺族の心のケアを行う「遺族外来」をわが国で初めて開設。

小島 ひで子(こじま・ひでこ)
1956年生まれ。東洋英和女学院大学大学院博士後期課程満期退学。博士(人間科学)。北里大学看護学部准教授。主に終末期患者の子ども及び死別した子どものグリーフケア活動、研究をしている。

門林 道子(かどばやし・みちこ)
1955年生まれ。日本女子大学大学院人間社会研究科博士後期課程単位取得退学(現代社会論専攻)。昭和薬科大学・川崎市立看護短期大学等非常勤講師。主たる研究は「闘病記の社会学的研究」。日本死の臨床研究会世話人、城南緩和ケア研究会世話人。

大西 奈保子(おおにし・なおこ)
1968年生まれ。東洋英和女学院大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。東北福祉大学健康科学部講師を経て、2010年4月より東都医療大学准教授。専攻は看護学・死生学・ターミナルケア。

五十子 敬子(いらこ・けいこ)
1944年生まれ。尚美学園大学総合政策学部・同大学院教授。博士(法学)。

吹抜 悠子(ふきぬき・ゆうこ)
1945年生まれ。お茶の水女子大大学院修士課程(東洋史)修了。在学中に文部省派遣留学生としてカンボジアのプノンペン王立大学に留学。その後、東京外国語大学非常勤講師等を務める。東洋英和女学院大学大学院(死生学)修了。現在、キリスト教メンタル・ケア・センター理事。関東学院大学キリスト教と文化研究所客員研究員。

高橋 克樹(たかはし・かつき)
1955年生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業後、地方紙の新聞記者を経て日本聖書神学校卒業。東洋英和女学院大学大学院修士課程(死生学専攻)修了。日本基督教団豊島岡教会牧師。日本聖書神学校教授。大学で生命倫理の非常勤講師も務める。

窪寺 俊之(くぼでら・としゆき)
1939年生まれ。埼玉大学卒業(教育学部)、東京都立大学大学院(臨床心理学)に学ぶ。米国エモリー大学神学部卒(神学)、コロンビア神学大学大学院卒(牧会学)。博士(人間科学、大阪大学)。米国リッチモンド記念病院(ヴァージニア州)と淀川キリスト病院(大阪市)でチャプレン(病院付牧師)。イーストベイ・フリーメソジスト教会牧師(米国、サンフランシスコ市)。関西学院大学神学部元教授。現在、聖学院大学大学院教授(スピリチュアルケア学)。日本臨床死生学会理事、スピリチュアルケア学会理事、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団評議員。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

Ⅰ 臨床医学における死とグリーフワーク
  遺族外来からみえてきたもの (大西秀樹)
  がん患者を親にもつ子どもへの症状説明と予期悲嘆 (小島ひで子)
  闘病記とグリーフワーク――遺族が書くことの意味 (門林道子)

Ⅱ 社会における死とグリーフワーク
  在宅医療におけるホスピスケア――実現に向けての教育とシステム構築の提案  (大西奈保子)
  自殺と責任をめぐって――自殺予防と自死遺族の悲嘆克服のために (五十子敬子)
  カンボジア大量虐殺からの悲嘆克服への道程――民族のグリーフワークを考える  (吹抜悠子)

Ⅲ 宗教によるグリーフワークの意義と問題
  グリーフ(悲嘆)ケアにおいて、物語ることの意味――スピリチュアルな視点からの援助  (高橋克樹)
  「宗教的思考」から「スピリチュアルな思考」へ――H・S・クシュナーの悲嘆を中心に (窪寺俊之)
  うつ病者の病的罪責感と回復をめぐって――そのキリスト教人間学的考察  (平山正実)