スピリチュアルケアの実現に向けて :「第18回日本臨床死生学会大会」の取り組み

シリーズスピリチュアルケアを学ぶ4
編著者窪寺俊之 編著
判型A5判
ページ数292 ページ
製本並製
発行日2013年10月
ISBN978-4-907113-05-6 C0311
定価2,530円(10%税込)
在庫あり

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内容紹介

本書は2012年11月23日・24日に開催された「第18回日本臨床死生学会大会」(大会テーマ「スピリチュアルケアの実現に向けて――理論・実践・制度」)における4つのシンポジウムの内容をまとめたもの。収録された論稿は、スピリチュアルケアにかかわる多職種の方々によって、人生の危機にある人への温かいケアの実現に向かって知恵を出し合い、明日の臨床に役立つスピリチュアルケアが構築されること願って書かれている。

編著者プロフィール

窪寺 俊之(くぼでら・としゆき)
聖学院大学人間福祉学部教授(こども心理学科長)、聖学院大学大学院教授(人間福祉学研究科長)。第18回日本臨床死生学会大会長。

高木 真理(たかき・まり)
武蔵野大学看護学部准教授。専門分野はがん看護学。

原 敬(はら・たかし)
さいたま赤十字病院緩和ケア診療科部長。医学博士(群馬大学)。日本死の臨床研究会世話人、対人援助・スピリチュアルケア研究会指導講師。

小西 達也(こにし・たつや)
武蔵野大学看護学部教養教育教授。元医療法人爽秋会岡部医院チャプレン。日本スピリチュアルケア学会理事。

本郷 久美子(ほんごう・くみこ)
三育学院大学名誉教授。日本看護診断学会評議員・理事。

松島 公望(まつしま・こうぼう)
東京大学大学院総合文化研究科助教。博士(教育学)。専門は発達心理学、教育心理学、宗教心理学。

三澤 久恵(みさわ・ひさえ)
人間総合科学大学保健医療学部看護学科教授(老年看護学)。日本健康医学会理事、東京スピリチュアルケア研究会世話人。

河 幹夫(かわ・みきお)
神奈川県立保健福祉大学教授。1975年厚生省入省、2001年厚生労働省参事官(社会保障担当)。2002年内閣府大臣官房審議官 (国民生活局担当)。2004年厚生労働省北海道厚生局長。2006年より内閣官房内閣審議官を務め、2007年7月厚生労働省へ復帰、退官。同年9月より現職。

小川 康(おがわ・やすし)
薬剤師。チベット医。早稲田大学文学学術院・教育学修士課程に在籍。

庭野 元孝(にわの・もとたか)
菊名記念病院総合診療科部長。医学博士(京都大学)。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会認定医。

正木 晃(まさき・あきら)
慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師。宗教学者。

松本 周(まつもと・しゅう)
聖学院大学助教、日本基督教団教務教師。博士(学術)。アジアキリスト教教育基金評議員。

尾形 妙子(おがた・たえこ)
医療法人社団仙石病院看護部長。2011年3月の東日本大震災の津波で夫、長男、次女の3人を一度に亡くす。

尹 玲花(いん・れいか)
聖路加国際病院乳腺外科医。外科専門医。乳腺認定医。あしなが育英会評議員。

左近 豊(さこん・とむ)
聖学院大学人間福祉学部副チャプレン、准教授。プリンストン神学大学院博士課程修了(Ph.D)。専攻は旧約聖書学。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに――スピリチュアルケアの実現に向けて (窪寺俊之)

第Ⅰ部 人間成長を目指すケアの実践

マーガレット・ニューマンの「拡張する意識としての健康」の理論に基づくパートナーシップのケア――死に直面して窮地に陥った患者と看護師のパートナーシップによる実践例紹介 (高木真理)

スピリチュアルペインとそのケアへ医療者としてどう向きあうか (原 敬)

チャプレンという専門職の立場からスピリチュアルケアを考える (小西達也)

第Ⅱ部 スピリチュアルケアを制度に載せる

看護の中のスピリチュアルケアをどのように教育するか――教育現場での現状と課題 (本郷久美子)

米国産の宗教コーピング尺度 RCOPE(Pargament et al., 2000)――尺度開発と日本での活用上の課題 (松島公望)

尺度開発と尺度を活用したスピリチュアリティ支援の方向性と課題 (三澤久恵)

社会保障と費用――制度と実践 (河 幹夫)

第Ⅲ部 スピリチュアリティの架橋可能性をめぐって

チベット医学がスピリチュアルケアに貢献できること (小川 康)

時代背景と、現在の緩和ケア事情 (庭野元孝)

東日本大震災以後における日本のスピリチュアルな世界 (正木 晃)

キリスト教のスピリチュアリティ――超越、他者、タブーをめぐって (松本 周)

第Ⅳ部 東日本大震災を受けとめて

東日本大震災の被災者、遺族として――死を見つめて生きた日 (尾形妙子)

阪神淡路大震災から一八年――希望の中に生きるということ(尹 玲花)

哀しみを語り伝える――旧約聖書の嘆きに聴く (左近 豊)