癒やしを求める魂の渇き : スピリチュアリティとは何か

シリーズスピリチュアルケアを学ぶ1
編著者窪寺俊之 編著
判型A5判
ページ数170 ページ
製本並製
発行日2011年01月
ISBN978-4-915832-90-1
定価1,980円(10%税込)
在庫あり

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内容紹介

終末期医療の中で、医学的に癒やすことのできないスピリチュアルペインが問題となっている。スピリチュアルという、精神世界、死後の世界への関心など幅広い概念の中から、スピリチュアルの意味を探り、終末期におけるスピリチュアルケアの対象とする世界を描き出す。人生を意味深く生きるためのスピリチュアルケアの入門シリーズ「スピリチュアルケアを学ぶ」の第一冊である。

編著者プロフィール

窪寺 俊之(くぼでら・としゆき)
聖学院大学大学院教授(スピリチュアルケア学)。博士(人間科学、大阪大学)。 1939年生まれ。埼玉大学卒業(教育学部)、東京都立大学大学院(臨床心理学)に学ぶ。米国エモリー大学神学部卒(神学)、コロンビア神学大学大学院卒(牧会学)。米国リッチモンド記念病院(ヴァージニア州)と淀川キリスト病院(大阪市)でチャプレン(病院付牧師)。イーストベイ・フリーメソジスト教会牧師(米国、 サンフランシスコ市)。関西学院大学神学部教授を経て現職。日本臨床死生学会理事、スピリチュアルケア学会理事、日本神学会会員、日本福音主義神学会会員、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団評議員。

柏木 哲夫(かしわぎ・てつお)
金城学院大学学長。大阪大学名誉教授。淀川キリスト教病院名誉ホスピス長。 1939年生まれ。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院精神神経科に勤務。ワシントン大学に留学しアメリカ精神医学の研修を積む。72年に帰国し、淀川キリスト教病院に精神神経科を開設。同時にターミナルケア実践のためのチームを結成。その後、同病院にて内科医の研修を受け、84年にホスピスを開設。副院長、ホスピス長を務める。日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団理事長。1994年日米医学功労賞、98年朝日社会福祉賞、2004年保健文化賞受賞。

島薗 進(しまぞの・すすむ)
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部宗教学科教授。 1948年生まれ。東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了、博士課程単位取得退学。日本学術振興会奨励研究員、筑波大学哲学思想学系研究員(文部技官)、東京外国語大学外国語学部日本語学科助手(のち専任講師、助教授に昇進)、米国カリフォルニア大学バークレー校に留学、東京大学文学部宗教学・宗教史学科助教授、1995 年から現職。また、1996 年シカゴ大学宗教学部客員教授、1997年フランス社会科学高等研究員招聘教授、2000年テュービンゲン大学日本文化研究所客員教授。2006年カイロ大学文学部客員教授。現在、日本宗教学会会長。

平山 正実(ひらやま・まさみ)
聖学院大学総合研究所・大学院(人間福祉学科)教授。精神科医。医学博士、精神保健指定医。 1938年生まれ。横浜市立大学医学部卒業。自治医科大学助教授(精神医学)を務めた後、東洋英和女学院大学大学院教授(死生学、精神医学)を経て現職。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

スピリチュアリティと心の援助 (窪寺俊之)
  自己喪失の時代/スピリチュアリティへの社会的関心/
  スピリチュアリティと人間のあり方/スピリチュアリティと宗教/
  心を癒やすスピリチュアルの世界

病む人の魂に届く医療を求めて (柏木哲夫)
  言葉へのこだわりから洞察へ
  (連想法による洞察――「生命」と「いのち」/生命といのちの違いを際立たせるエピソード)
  スピリチュアルケアの本質
  (ユーモアの働き/スピリチュアルという言葉が示すもの/
  スピリチュアルペイン/三つの和解/魂の痛みに付き合う理解的態度)

スピリチュアリティの現在とその意味 (島薗 進)
  はじめに/宗教から精神世界へ/死生学とは何か/
  セルフヘルプ運動の展開/ニーズから立ち上がるスピリチュアリティ/
  孤独と意味喪失からの立ち直り

悲嘆とスピリチュアルケア (平山正実)
  人間存在を支えるもの/スピリチュアルペインから得るもの/
  スピリチュアリティの本質/スピリチュアリティと人間の態度変容

スピリチュアルなものへの魂の叫び (窪寺俊之)
  はじめに/魂の叫び/金子みすゞの世界/
  キリスト教の世界がもたらす恵み/天国に旅立った老人の話