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社会科学
人間としての尊厳を守るために :国際人道支援と食のセーフティネットの構築
ヨハン・セルス氏は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日代表として難民支援にあたっている。チャールズ・E・マクジルトン氏は、自ら日本の「困窮者」としての生活を送り、「セカンドハーベスト・ジャパン」というNPOを立ち上げ、食べ物を必要としている人々に食料品を提供する活動を展開。本書は人間の尊厳に立ち、人間の尊厳に向かう「当事者」として活動する2人の講演をもとにまとめられている。 -
福祉・心理
ソーシャルワーカーを支える人間福祉スーパービジョン
高齢化とそれに伴う医療需要の増加により,保健・医療・福祉の連携が要請され,地域包括支援センター,病院の地域医療連携室,さらに退院支援,在宅医療,在宅介護などを例にとっても,ソーシャルワーカーへの期待は高まっている。本書は「スーパービジョン」および「スーパーバイザーの養成」の重要性を明らかにし,ソーシャルワーカーを支援しようとするものである。 -
哲学・思想
現代社会におけるポスト合理性の問題 : マックス・ヴェーバーの遺したもの
本書は「ポスト合理性」=「合理性をはみだしたもの」を問題にする。近代は「宗教」と「科学」との相克のなかで合理性を展開してきた。近年、そうした合理性には収まりきれないさまざまな表象が、ある魅力をもって喧伝されている。それは近代が失ったものなのか、あるいはポスト近代の徴候なのか。本書は、マックス・ヴェーバーの理論に定位しつつ、「ポスト合理性」を浮き彫りにすることを試みたものである。カール・アッハム(グラーツ大学)、ヨハネス・ヴァイス(カッセル大学)による二つの論考、それに対する姜尚中、細見和之、荒川敏彦、土方 透によるコメントとリプライ、さらにコメンテータによる3本の論考が収められている。 -
臨床死生学研究叢書
死別の悲しみを学ぶ
本書は実際にさまざまな現場で働く人々にとって、「生と死の教育」がなぜ必要なのか、また、その教育をどのように行ったらよいのかといった課題に答えるために編まれたものである。第Ⅲ部「大学における死生学教育の展開」には、日本や英米の死生学の歴史や定義、臨床死生学の位置づけ、死生学を教える対象と内容、範囲などが記されている。「生と死の教育」という学問の基本的枠組みを知ることができる。 -
社会科学
希望の芽はある: 枝野幸男学生に語る
本書は、埼玉県上尾市の聖学院大学チャペルで開催された公開講演会での経済産業大臣・枝野幸男議員の講演と学生との質疑をまとめたもの。枝野氏は時代の大きな転換点だからこその意識改革を学生によびかけた。講演後の学生とのランチセッションでは、講演についての感想や、TPP参加、震災・原発事故対応などについて様々な質問が次々に飛び交った。 -
<スピリチュアルケアを学ぶ>シリーズ
スピリチュアルペインに向き合う : こころの安寧を求めて
スピリチュアルケアは「魂へのケア」とも言い換えられるように、心の深みにある不安や畏れ、「私の人生の目的は何か」、「私の負った苦しみの意味は何か」といった思いに苦しむ方々へのケアである。本書には日本的視点からスピリチュアルケアの本質に迫ったカール・ベッカー氏の「医療が癒やせない病」、また、亀田総合病院の西野洋氏が自身のスピリチュアルペインに向き合う体験をもとに医療の本質を述べた「一臨床医のナラティブ」が収録されている。私たちが気づかなかった自分自身の根底にあるスピリチュアルなものを見いだすきっかけを与える内容となっている。 -
福祉・心理
被災者と支援者のための心のケア
この冊子は、被災者と支援者の心のケアに役立つことをめざして書かれています。臨床心理士、精神科医、牧会カウンセラー、スピリチュアルケアの専門家が書き、まとめました。それぞれの著者が、あまりに悲惨な現状に語りかける言葉を見いだしえない、また言葉にならないもどかしさを感じながら書きました。著者たちがもがき苦しみの中から書いたことばが被災した方々、支援する方々の心のどこかに伝わることを願っています。 村上純子 (聖学院大学非常勤講師、臨床心理士) 1章、1章コラム、2章 平山正実 (聖学院大学大学院教授、精神科医) はじめに、3章、4章 窪寺俊之 (聖学院大学大学院教授、元淀川キリスト教病院チャプレン) 5章 堀 肇 (聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センターカウンセラー、鶴瀬恵みキリスト教会牧師) 6章、7章 藤掛 明 (聖学院大学大学院准教授、臨床心理士) 8章、9章 -
<福祉の役わり・福祉のこころ>シリーズ
みんなで参加し共につくる
「福祉の役わり・福祉のこころ」第4集。福祉の実践が「人間の尊厳、一人一人の生きがいが尊重される実践」となるためには、社会福祉にたずさわる者は、これからは新しいコミュニティの創造に取り組むべきなのではないでしょうか。横須賀基督教社会館館長の岸川洋治氏は「住民の力とコミュニティの形成」と題して、社会館の田浦の町におけるコミュニティセンターとしての意義を、日本の精神保健福祉に長年尽力し、聖学院大学総合研究所名誉教授・人間福祉スーパービジョンセンター顧問でもある柏木昭氏は「特別講義――私とソーシャルワーク」の中で、ソーシャルワークにかかわる自らの姿勢と、地域における「トポスの創出」とクライエントとの協働について語っています。 -
<スピリチュアルケアを学ぶ>シリーズ
癒やしを求める魂の渇き : スピリチュアリティとは何か
終末期医療の中で、医学的に癒やすことのできないスピリチュアルペインが問題となっている。スピリチュアルという、精神世界、死後の世界への関心など幅広い概念の中から、スピリチュアルの意味を探り、終末期におけるスピリチュアルケアの対象とする世界を描き出す。人生を意味深く生きるためのスピリチュアルケアの入門シリーズ「スピリチュアルケアを学ぶ」の第一冊である。 -
<福祉の役わり・福祉のこころ>シリーズ
とことんつきあう関係力をもとに
「福祉の役わり・福祉のこころ」第3集。日本認知症グループホーム協会副代表理事であり、指定介護老人福祉施設サンライフたきの里施設長である岩尾貢氏による「認知症高齢者のケア」、北千住旭クリニック精神科医であり、聖学院大学総合研究所・大学院教授の平山正実氏による「精神科医療におけるチームワーク」を収録。福祉の実践における人へのまなざしとはどのようなものであるべきか。人間の尊厳、一人一人の生きがいが尊重される実践となるよう、共に暮らす人として相互主体的にかかわることに、最も専門性が要求されることが語られる。 -
臨床死生学研究叢書
死別の悲しみから立ち直るために
愛する家族や友人を病気や事故で失った人々がその悲しみをどのように受け止め,悲しみから立ち直ることができるのか.医師として看護師として,また精神科医として死別の悲しみに寄り添う方々が,臨床の場で,考察を深め,死別の悲しみから立ち直るための,多様で個性ある「グリーフワーク(悲嘆の作業)」の道筋を語る. -
福祉・心理
ソーシャルワークを支える宗教の視点 : その意義と課題
本書が書かれた1930年代のアメリカは、経済不況による凄まじい格差社会が到来していた。しかし社会の公正を実現するための「社会福祉事業」はあまりに理想主義的で、個人主義的で、感傷主義的で、機能していないという問題状況があった。著者は、「社会の経済的再編成」「社会組織再編」「社会の政治的な再編成」という壮大な社会構想のもとで、本来あるべき社会福祉の姿を提示する。