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哲学・思想
光の子と闇の子 : デモクラシーの批判と擁護
アメリカの政治倫理学者,R. ニーバーの主著の一つである本書は,デモクラシーという,現代世界において,再考を求められている思想原理を批判し,擁護する.権力が対立し,政治と経済が相剋する現実にあって,正義と自由を確立するためには,いかなる指導原理が存在するのか.人間の悪の問題の把握において深い洞察を欠いているマルクス主義,デモクラシー思想の楽観主義を批判し,キリスト教思想に基づくデモクラシー原理の正当性を弁護する.キリスト教思想神学と文学 : 言語を機軸にした相関性
本書はテレンス・R・ライト(Terence R. Wright)の主著『神学と文学』(Theology and Literature, 1988)の全訳である。人間の経験の中にある言語によって,人間の経験を超えた神を語りうるのか? この神学的アポリアに文学評論の立場から取り組む.物語の神学,隠喩的神学,劇の神学を俎上に載せ,聖書の言語がこれらの文学的表現を通して豊かに神を語りうることを明らかにする.ヴェリタス叢書主の祈り : キリスト入門
著者が牧会する滝野川教会で行った「主の祈り」講解説教.また,東京神学大学での講演「祈りについて」,敗戦を契機に著者自身キリスト者になってゆく心の旅「キリストへの道」を付す.祈りという最も宗教的な行為に神学的考察を加え,一般に考えられている〈祈り〉とは全く異なるキリスト教の祈りの独自性を明確に指し示す.教育・芸術・文学美しいメロディーによるやさしいオルガン曲集 : 初級から中級へ
ピアノからオルガンに移行しやすいよう,やさしくても音楽的にしっかりと構成され,美しく演奏できるように意図された曲集.礼拝や結婚式などあらゆる機会に.聖学院大学研究叢書「文明日本」と「市民的主体」:福沢諭吉・徳富蘇峰・内村鑑三
開国と明治維新は,近代日本の為政者と人民に思想的に大きな課題を突きつけた.それは日本の目指す政治体制,為政者の役割,人民の生き方,あるいは国際社会における自国の位置付けを,世界に向かって「理解されるもの」として語る必要からであった.本書では,「文明日本」と「市民的主体」の二構想を諭吉・蘇峰・鑑三の思想を通して明らかにする.社会科学社会改革への道五十年
日本の社会政策を原理的に検証し,キリスト教倫理に裏付けられた新しい社会策理論を打ち立てた著者の研究と活動をたどる.社会科学Inactivity, Health and Aging: Proceeding of the 4th Symposium on Inactivity
“Not only lying in bed but also inactivity is bad for health.” The inactive life style is a danger to health. The meaning of this fact increases its importance along with graying of the population. Some physiological features of aging are attributable to inactivity and the mechanism would be explored by the bed rest study on young volunteers. This book is edited from the proceedings of participants to the 4th symposium on Inactivity. Many findings draw much on our former series of studies in 1997 and 1998 that were already published elsewhere. It is a great pleasure that this volume could have added much to the former attainments.社会科学国家と法の比較研究:違憲審査制と基本的人権の考察
近代デモクラシーの基盤にある違憲審査制と,近代人権概念の根幹にある「信教の自由」の欧米各国における成立過程を歴史的にたどり,日本の明治憲法と日本国憲法を比較考察する.外国歴史クロムウェルとイギリス革命
ピューリタン革命の立役者,オリヴァ・クロムウェルはデモクラシー思想の点でも,政治指導者という意味からも重要な人物であるが,その本格的研究が立ち遅れている.本書では,序章「クロムウェル研究史」,第1部「クロムウェルの宗教」,第2部「クロムウェルと政治」,第3部「クロムウェルと国際関係」という多角的な視点からクロムウェルの全体像を構築す る.またクロムウェル研究に益する詳細なクロムウェル研究関連文献を付している.日本のキリスト教近代日本キリスト者の信仰と倫理
近代日本のキリスト教に関する研究の主要な関心は,これまで主として「近代化」という国家的課題の中で,キリスト教が果たしてきた開明的役割を明らかにすることであり,政治・社会との関わりに重点がおかれてきた.本書では,これまでの研究を踏まえつつ,近代日本における代表的キリスト者である,植村正久,内村鑑三,新渡戸稲造,三谷隆正,賀川豊彦を取り上げ,かれらの信仰を内在的に理解し,その信仰と倫理の実像を描く.日本のキリスト教