世界社会の宗教的コミュニケーション:共鳴の醸成

編著者土方 透 編著
G・ヴェグナー、J・ヴァイス、N・ルーマン、清水正之 著
判型四六判
ページ数352 ページ
製本並製
発行日2020年03月
ISBN978-4-909891-04-4
定価3,520円(10%税込)
在庫あり

内容紹介

人はそれぞれ何か唯一のものを信じている。相対性も絶対的に、多様性も一元的に主張する。唯一の神が複数存在し、そのなかで人々がうごめく世界社会。誰もが共存を欲し、しかし自己の優越性は疑わない。包摂に逆らうものは排除され、寛容に抗うものは容赦されない。共有や通底、共同の感情形成は望めなくとも、せめて共鳴は可能か。宗教が拓く世界社会のコミュニケーションを論じていく。

編著者プロフィール

土方 透 (ひじかた・とおる)
聖学院大学教授。Soziale Systeme: Zeitschrift für soziologische Theorie学術顧問。専門は社会学。
中央大学にて法律学、同大学院文学研究科にて社会学を学ぶ。社会学博士。Forschungsinstitiut für Philosophie Hannover, Würzburg大学哲学部、Düsseldorf大学哲学部等、ドイツの研究機関において客員教授を歴任。

ヨハネス・ヴァイス (Johannes Weiß)
カッセル大学名誉教授。専門は文化社会学、社会哲学。
ケルン大学で社会学を学ぶ。ライプチッヒ大学文化科学研究所所長およびドイツ諸研究機関のヴェーバー研究の主要ポストを歴任。ヴェーバー・ルネサンスの中心的立役者の一人。ヴェーバーの代表的著作『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、「理解社会学」「価値自由性」に関する諸論稿を新たに編纂するなど、ヴェーバーの正本作成に携わる。

ゲルハルト・ヴェグナー (Gerhard Wegner)
EKD社会科学研究所名誉所長、元マールブルク大学教授。専門は実践神学。
ゲッティンゲン大学およびナイロビ大学で神学を学び牧師活動を展開後、ハノーファーのブロンテスタント組織Hanns-Lilje-Stiftung創立幹部、ドイツ万博(2000年)におけるキリスト教行事のプロテスタント側責任者を歴任。宗教改革500年を機に企画した編著書として、『宗教改革のグローバルな影響』、『労働から市民社会へ――宗教改革の作用史』、『ルター2017』、『宗教と教会の社会的射程――神学と社会学』など。

清水 正之 (しみず・まさゆき)
聖学院大学教授。専門は倫理学、日本倫理思想史。
東京大学文学部、同大学院にて倫理学を学ぶ。博士(人文科学 お茶の水女子大学)。日本倫理学会常任評議員、東京大学学生キリスト教青年会(YMCA)理事。

ニクラス・ルーマン (Niklas Luhmann, 1927―1998)
20世紀後半のドイツを代表する社会学者。新たな社会システム理論の構築を展開し、その対象は社会、法、宗教、経済、教育、学問、メディア他広く及ぶ。著作は2012年時点で95冊、その後も遺稿の整理が続けられ、最近のものとしては、1100頁を超える大著System Theorie der Gesellschaft (Suhrkamp, 2017)。邦訳書も多数出版されている。2009年までの著訳書リストは、C. バラルディ、G. コルシ、E. エスポジト『GLU:ニクラス・ルーマン社会システム理論用語集』(土方透、庄司信、毛利康俊訳、2013年、国文社)巻末に所収。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 ポスト宗教時代の宗教――本書の前提 (土方 透)

第Ⅰ部  宗教の機能喪失とその未来
 第1章 世俗化と宗教の未来(ヨハネス・ヴァイス)
 第2章 世界の脱呪術化、近代の学問、宗教の未来(ヨハネス・ヴァイス)
 第3章 脱宗教化という宗教と宗教が拓く未来――日本のパラドクス(土方 透)

第Ⅱ部  宗教から語る
 第4章 他の宗教に語りかけることはできるか (土方 透)
 第5章 ルターの自由理解は文化の壁を超えられるか (ゲルハルト・ヴェグナー)
 第6章 日本のキリスト教に見る世俗と超越 (清水正之)

第Ⅲ部  宗教が拓くコミュニケーション
 第7章 宗教は不可欠か (ニクラス・ルーマン)
 第8章 宗教的コミュニケーションの社会的重要性(ゲルハルト・ヴェグナー)
 第9章 世界社会における人権、人間愛、そしてキリスト教(ヨハネス・ヴァイス)

終 章 宗教的コミュニケーションの共鳴(土方 透)